ビリヤニとは 役に立つ、役に立たない、ビリヤニの知識

役に立つビリヤニの知識①

ビリヤニって何?

エリックサウスではビリヤニを「インド式スパイシーパエリア」と説明しています。ビリヤニは炊き込みご飯に相当するインド料理のひとつで、米と具材(野菜や魚介類も使われることがあるが主には鶏や羊などの肉)を米とともにスパイスを効かせて調理します。その時の米は主に「バスマティライス」と言うとても細長いインド米です。このバスマティライスのパラっとした食感と独特の香ばしい香りはビリヤニの美味しさの最も重要な要素の一つです。ビリヤニは調理に手間と特殊な技術が必要で、インドでは結婚式などお祝い事の時に食べる特別なご馳走というイメージもあります。

役に立たないビリヤニの知識

ビリヤニの歴史

ビリヤニのルーツは中東の炊き込みご飯「プロフ」であるという説が有力です。このプロフがヨーロッパに伝わり「パエリア」や「ピラフ」になり、パキスタンやインドに伝わったものが「プラオ」や「ビリヤニ」になりました。パエリアとビリヤニは遠い親戚関係なのです。インドに伝わったのはインドをイスラム教徒が席巻したムガル帝国時代。この時期に宮廷料理として現代につながるビリヤニの調理法の基礎が完成しました。

もっと役に立たないビリヤニの知識

日本に伝わった?ビリヤニ

日本には江戸時代に南蛮料理「ひりし」として伝わったという文献が残されています。この「ひりし」、鶏肉と米の炊き込みご飯的な調理法で、サフランやターメリックではなくクチナシで色付けされ、ショウガなどの香味野菜以外のスパイスは丁子(クローブ)のみというシンプルなものですが、確かにビリヤニとしての特徴を備えていると言えます。ただこの料理が実際に広く作られていたかというとその確証はなく、単に文献のみにとどまっていた可能性も高いと思われます。

わりとどうでもいいビリヤニの知識

ビリヤニの定義とは

ビリヤニとよく似たインドの米を使った料理に「プラオ」があります。このプラオとビリヤニがどう違うのか、という問題には様々な見解があります。「半炊きした米を使って重ね蒸し調理するのがビリヤニで生米から炊くのがプラオ」「色が薄いのがプラオ」「スパイスを多く使うのがビリヤニ」などいろいろな説がありますが、個人的にはある文献で見かけた「重ね蒸しをするものはとりあえずビリヤニ、それ以外のものでも調理前の重量で米と具材の比率が1:1 より具材が多いものはビリヤニ、それ以外はプラオ」というものが一番しっくりきます。

若干役に立たない事もないビリヤニの知識

ビリヤニは南インド料理ではない

日本では最近までビリヤニを提供するインド料理店はわずかで、それも日本米をチャーハン式に炒めて作られる簡略化された調理法がほとんどでした。それが最近になって本式のビリヤニを提供する店が少しずつ増えていったのですが、そういった店のほとんどがいわゆる「南インド料理店」であったため、世間では「ビリヤニは南インド料理」という誤解が広まったようです。
ではビリヤニは北インド料理なのかと言えばそれも正確ではなく、強いて言うならビリヤニは「ムスリム料理」ということになると思います。インドでは各地に「ビリヤニで有名な街」が点在していますが、どこも基本的にムスリムの多い地域で、そんなところにもムガル帝国以来の伝統が息づいているとも言えます。南インドにおけるビリヤニの聖地とも言えるハイデラバードもそんな街の代表的なひとつです。

役に立つビリヤニの知識②

エリックサウスのチキンビリヤニ

インドで最も代表的なビリヤニの調理法は、半ゆでした米とスパイスで調理した肉を層状に重ね密封して蒸し焼きにする「ダム式」と呼ばれるものですが、エリックサウスのチキンビリヤニは、スパイスで調理した鶏肉に生の米と水を加え一緒に炊き上げる方法で作られます。これは南インドのタミル地方などでよく見られる調理法です。この調理法は日本人好みの旨味たっぷりな味わいになるのと、日本人がイメージするいわゆる「カレー風味」に仕上げやすいという利点があります。

役に立つビリヤニの知識③

エリックサウスのマトンビリヤニ

マトンの方はチキンと全く違い、上に書いた「ダム式」で作られています。よりインドでオーソドックスな味わいで、チリの辛味やホールスパイスとミント主とする香草の風味がより鮮烈に仕上がります。1人前ずつオーダー毎に炊き上げるので少々お時間をいただくこともありますが、待つ甲斐アリの印象的な味わいをお楽しみいただけると思います。

少し役に立つビリヤニの知識

ビリヤニに何をかける?

そのままでも充分おいしいビリヤニですが、これにいろいろな物を合わせる事でより美味しく楽しめます。代表的なものはライタ(ヨーグルトサラダ)です。これはもう定番と言ってもいいのですが、インドでも地方によってはライタが付いてこない事もあります。カレーをかけても美味しいです。こちらはインドではライタほど一般的ではありませんが、チェンナイのあるご家庭でマトンビリヤニをご馳走になったときそこの家のご主人が前日のチキンカレーの残り汁を「これかけるとうめえんだ」と全員の皿にかけてくれた時の美味しさは忘れられません。
以前ハイデラバードで幾人かの地元っ子に「ビリヤニにかけるものかけないもの」を
アンケートしてみた事があります。結果は次の通りです。
「ライタ」→絶対かける
「豆カレー」→ありえない
「サンバルやラッサム」→もっとありえない
「チキンやマトンのカレー」→あり
「ミルチカサラン」→何それ?・・・ああ、あれはそういう名前なのか!
まあ地域性もありますし皆様はお好きにどうぞ!

役に立つビリヤニの知識④

ビリヤニ専用ソース

そんなハイデラバードで「ハイデラバードの名物ならビリヤニもいいけど一緒にコレ食っとけ」と熱烈におススメされた料理が「チキンナワビィ」でした。複雑でリッチな味わいのチキンカレーです。確かにビリヤニとの相性も抜群でした。当店ではこの時のチキンナワビィが元となった「ナワブチキングレイヴィ」と、当地の伝統的な付け合わせであるミルチカサランをアレンジした「サラングレイヴィ」の、2種類のビリヤニ専用ソースをご用意しています。

エリックサウスのオンラインショップでは、お店の味わいをそのまま冷凍。
お家でも南インド料理店そのままをお楽しみいただけます。